2008年9月20日
恩人に出会えました。２ヶ月振りです。
その方は90歳で小柄な可愛い声の(顔も可愛い)
おばあちゃんです。
けいゆう病気に入院したての頃、
私は体の均整を保てずベッドに腰をかけて食事中、
食べることに夢中になり箸を持ったまま
スローモーションの様に左から崩れるように
ベッドの下へ落ちてしまったのです。
痛めることはなかったのですが、
右手に大事な箸を持ったまま仰向けになり、
命綱のナースコールも手が届きません。
その部屋はたまたま私以外は、
90歳を越えた人達ばかりで、誰も私に気がつきません。
私は大きな声が出ませんでした。
「すいませーん」
と叫んだのですが、看護士さんに届きません。
その時隣のベッドにいたおばあちゃんが私に気付き
「看護師さーん。落ちてますよ。」
って可愛い声で叫んでくれたのです。
お陰さまで私は食事を続けられました。
その方が最近同じ病院の同じ階に移ってこられたのです。
本当は骨折で入院しているのですが、
かなり痴呆も進んでしまった様で、昼も夜も、
娘さんを呼んだり、看護師さんを呼んだりしています。
私は自主練が終わると
一休みに彼女の隣に座ってお相手をします。
「今日、娘は来るかしら」「食事はどうすればいいの」
「夜はどこで寝るの」
せいぜい３つか４つ位の質問を
ずっと繰り返す彼女の横で私も
ずっと何回も同じ言葉を繰り返します。
「そう、娘さんはもうじき見えますよ」
「今日も美味しいお食事ですよ」
「夜は看護師さんが
ベッドに連れて行ってくれるから安心ですね」
私のささやかな恩返しと言いたい所だけど、
言語の練習もさせてもらっています。
重ねてありがとうございます。
島田 和以
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